2005年6月16日(木)21:19

EU首脳会議はEU憲法批准の一時休止を決定

ブリュッセル(AP)

フランスとオランダの国民投票否決を受けて、今後のEU憲法批准手続きは作戦タイムをとることになった。アイルランドのダーモット・アハーン外相によれば、EU各国首脳は木曜日の晩ブリュッセルで開かれた首脳会議で休止に合意したという。具体的にいつまで批准手続きを延期するかについてはまだ決まっていないと外相は伝えた。当初憲法条約の批准は2006年11月に完了する予定であった。

アハーン外相は、フランスとオランダの否決を受けて「省察の期間」を置くことが必要との合意に至ったと語った。「私たちは時間を置き、人々と対話を行うべきである。」外相によれば、各国首脳は誰もEU憲法の再交渉を要求しなかったという。「私たちは依然全面的に憲法を支持している」と外相は述べた。何人かの出席者はEUの将来を協議する臨時首脳会議の招集を求めた。

フランスのジャック・シラク大統領はこれに関連して、将来の拡大ラウンドに対する自らの疑念を表明した。あらかじめ配られた演説原稿によれば、「欧州連合はこの新しい状況の中で、適切な機構制度を整えずに拡大ができるのだろうか?」と各国首脳との協議の席で問いかけた。「私たちが共同でこの重要な問題を協議することを望む」と大統領は要望した。

首脳会議は今晩、今後の批准手続きの進め方について声明を発表する意向である。フランスとオランダの否決を受けて、すでにイギリスは当初来年春に予定していた国民投票の凍結を発表している。デンマークのアンデルス・フォー・ラスムッセン首相も同様の考えを抱いている。デンマークは当初9月27日の国民投票を計画していた。チェコのジリ・パロウベク首相も同様に国民投票の延期を検討している。これまでのところ、ドイツを含む10ヶ国が批准を終えている。

EU各国首脳は金曜日にEU予算の問題を協議する意向である。ドイツのゲルハルト・シュレーダー首相はあらためて譲歩の意向を示唆した。「ドイツは合意を望んでいる」。しかしそのためには全員の歩み寄りが必要である。「これが成功するかはまだ分からない。相応の懐疑を抱くのが適切であろう」、と首相は語った。

シュレーダー首相はとりわけイギリスのブレア首相に対して妥協を求めている。「成果が得られるのは、イギリスも歩み寄った場合に限られる」。EU議長を務めるルクセンブルクのジャンクロード・ユンカー首相はイギリスに新たな妥協案を示した。それによればイギリスの拠出金割引は2013年まで、現在の年46億ユーロに固定するという。

しかしイギリスのジャック・ストロー外相は、ユンカー議長の提案を受け容れ難いとして拒否した。さらなる譲歩としてユンカー議長は農業補助金を60億ユーロ削る意向である。シラク大統領がこれを受け容れるかはまだ疑わしい。EUの総支出としてユンカー議長は約8700億ユーロの上限額を提案している。ドイツを含む大きな実質負担国は、2013年まで支出を年間で8150億ユーロに留めるよう求めている。

シュレーダー首相は、将来のEUの支出が「ドイツの財政能力を超えてはならない」と強調した。ユンカー議長の妥協案についてシュレーダー首相は「十分でない」と述べた。スウェーデンやオランダも椀飯振舞に過ぎるとして議長提案に反対している。逆にポーランドとスペインは支出額が不十分として上積みを求めている。

原題:Auszeit fuer EU-Verfassungsprozess




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